新たな取り組み
スマートなロング・ライフ・ビルディングを目指して
築30年のビルを「スマートビル」にリモデル
大手センタービルは2014年、ビル内の消費エネルギーの最適化と利用者へのビルサービス向上をめざし、クラウドサーバーを活用した次世代のビル管理システムを構築しました。既存建物の外観や内装を大きく変えることなく環境に配慮したスマートビルへと生まれ変わりました。その取り組みをご紹介します。
大手センタービルの概要についてはこちらをご覧ください。
新たな取り組みで目指すところ
オフィスや店舗が入居する複合ビルでは季節や時間帯、階によって消費するエネルギーが刻々と変化します。地球温暖化防止や節電への関心が高まるなか、エネルギーのわずかなムダも無視することはできません。
大手センタービルでは、今回、クラウドサーバーにビル内のエネルギー利用情報を集約・管理するしくみを構築しました。今後も取り組みを継続し、将来的にはビル内の空調や照明、センサーなどもつながる総合的なシステムネットワークの構築を目指します。
目指すシステムネットワーク
目指すシステムネットワーク
<電力に関する法改正の今後の予定>
2016年 | 電力の小売、全面自由化 |
2018年〜2020年2018年 〜2020年 | 電力会社の発電と送電部門を別会社にする「発送電分離」の実施 |
2020年 | 「省エネ法」の改正により、建物やオフィスの省エネを義務化 |
取り組み(1)見える化システムの実現
情報は見える化システムによって提供します。PCやスマホからいつでもリアルタイムにエネルギーの使用状況を確認できるので、ムダの発見とエネルギーコストの削減に役立ちます。
取り組み(2)拡張性の高いプラットフォーム 「ビルコミュニケーションシステム®」の導入
大手センタービルの膨大なデータや制御システムを支えているのが、竹中工務店の「ビルコミュニケーションシステム®」です。
テナントビルの管理システムとして、日本で初めて国際標準化に基づいたオープンな通信規格「IEEE1888(※1)」を採用し、オープンプロトコル「MQTT(※2)」などの最先端の技術を組み合わせています。膨大なデータを安全かつ効率的に処理するとともに、将来を見据えた高い拡張性を兼ね備えています。
ご入居者様は自社の業務システムをこのプラットフォームに簡単に連携することができます。
※1):IEEE1888とは
次世代の「BEMS(Building Energy Management System/ビルエネルギー管理システム)」やスマートシティの実現に向けて開発された国際標準化されたオープンな通信規格のこと。
※2):MQTTとは
IBMが提供するオープンプロトコル「MQ Telemetry Transport」の略。空調、照明、センサーなどの機器間のデータ通信量を軽減し、安全かつ効率的な通信が可能に。
まだまだ拡がる可能性 高い拡張性から生まれる新サービス
「ビルコミュニケーションシステム」の拡張性により、今後も新たなサービスの提供が可能となります。
たとえば、地震時などの建物の状態をご入居者様に発信する「建物状況モニタリングシステム」、人を配置しないでも常に最適な警備を行う「遠隔監視システム」、過去データや気候に基づいて将来のエネルギー使用量を予測する「エネルギー負荷予測システム」、人の所在にあわせて空調・照明などを自動的に制御する「パーソナル制御システム」などの導入について検討が進められています。
ビル内の活動をより便利に、より快適にする未来のサービスにご期待ください。
<街全体で電力をやりくりするスマートコミュニティの実現へ>
これまでのビル管理システムはビル内の管理にとどまっていましたが、今後はビル外のクラウドシステムとフレキシブルにつなぐことができるため、ビルの遠隔監視や外部からの設備制御、他のビルや街と連携したスケールの大きな省エネ対策が可能になります。
たとえば、複数のビルを双方向のネットワークでつなぐことで、供給量に余裕のあるビルから足りないビルへとエネルギーを融通するなど、地域全体でエネルギーをやりくりすることができます。地域全体で消費エネルギーを効率よく管理する「スマートコミュニティ」の実現に向けて、街はもう変わりはじめています。
スマートコミュニティ
スマートコミュニティ
※CEMS : City/Community Energy Management System
詳しくは竹中工務店ホームページ「竹中の目指すスマートコミュニティー」linkをご覧ください。